歯周病の治療
予防管理型歯科医療
オーダーメイドの治療計画
検査・治療・メインテナンスまで
治療後はメインテナンスで再発予防に注力
歯周病は歯周病菌による感染症の一種
歯周病とは、歯周病の原因となる最近の感染によって引き起こされる炎症性疾患のことです。歯肉や歯槽骨などが侵され、やがて骨が失われて歯を支えられなくなってしまう恐ろしい病気です。
初期からしばらくは症状もほとんどなく、進行していくにつれて歯肉の腫れなどがでてきますが、多くは痛みはありません。さらに進行すると膿がでたり歯が動揺したりしてきて、最後には歯が抜け落ちてしまいます。
日本人の歯を失う原因
日本人の歯を失う原因の1位は歯周病です。むし歯とあわせると7割近くが歯周病とむし歯で歯を失っていますが、その傾向として40代後半からは歯周病で歯を失う方が多くなってきます。日本人の場合、30代以上では3人に2人が歯肉炎や歯周病などになっているといわれており、注意が必要です。
歯周病のセルフチェック
このような症状がある場合には歯周病が疑われます。手遅れになる前に、できるだけ早期に歯科医院を受診しましょう。
- 口臭がある
- 朝起きたら口の中がネバネバする
- 歯みがきの時に出血がある
- 歯肉が赤く腫れている
- 歯が長くなった気がする
- 歯肉を押すと血や膿が出る
- 歯と歯の間に物が詰まりやすい
- 歯が浮いたような感じがある
- 歯並びに変化が起きてきた
- 歯が揺れている
歯周病になる原因
口腔内にいる細菌は700種類にも及ぶといわれています。これらは基本的には常在菌で悪影響はないのですが、ハミガキが不十分であったり、砂糖の過剰摂取などによって、細菌がネバネバした物質を作り出し歯垢(プラーク)になります。
歯垢1mgの中には約10億個の細菌がいるといわれ、これらの細菌が歯周病につながります。歯垢は放置すると歯石になって余計に除去しづらくなります。
歯周病の進行
初期
健康な歯周組織では、歯と歯ぐきの間には1〜2mm程度のすき間があります。
歯垢(プラーク)放置することで歯ぐきに炎症が起き、2〜3mmのすき間ができます。
中等度
歯ぐきの炎症がひどくなり、歯周病菌が歯周組織に侵入していきます。歯槽骨や歯根膜も破壊されはじめ、少し歯がぐらつきはじめます。
重度
炎症が拡大し、歯槽骨も破壊が進み、歯がぐらつきます。進行につれて歯をささえられなくなっていきます。
歯周病の検査
検査
プロービング
歯周病検査で行う「プロービング」は、プローブという測定用の器具を使用して、歯と歯茎のすき間の入り口から底の部分までの距離を測定して歯周病の進行度合いの判定に用いるものです。目盛りのついたプローブを歯と歯肉のすき間に差し込み、全ての歯の周りの歯肉溝~歯周ポケットの深さを記録していきます。またその際に、同時に歯肉からの出血の有無、歯の動揺の度合いもチェックしていきます。
エックス線撮影
歯周病検査では、エックス線検査も行い、その画像でも歯槽骨の状態を調べます。歯槽骨の溶けてなくなった程度などについて正確に知ることが可能です。また、必要に応じてCT撮影も行います。
歯周病の治療
スケーリング(歯肉縁上の歯石除去)
歯周病治療で行う「スケーリング」は、歯にこびり付いている歯石をスケーラーと呼ばれる器具を使って除去する施術です。歯石には軽石のように小さな穴が無数に空いていて、そこに細菌が住み着き、繁殖して毒素を出すようになります。歯石の中の細菌は歯みがきなどでは取れないため歯石ごと除去が必要です。歯石は定期的に歯科医院で取り除く必要がありますが、併せて日常生活でのプラークコントロールも重要です。
ルートプレーニング(歯肉縁下の歯石除去)
歯周病治療で行う「ルートプレーニング」とは、歯根表面の汚染されたり、軟化したセメントや象牙質を除去して、歯根の表面を滑沢に仕上げることをいいます。
歯根の表面をつるつるにすることによって、汚れの再付着が起こりにくい表面にします。
歯周外科処置
歯肉縁下の歯石除去は手探りで行われるため、深い歯周ポケットや歯根の部分が複雑な形態などの場合、除去しきれない場合があります。
歯周外科手術(フラップ手術)では、歯茎を切開し、深い歯周ポケットに残存している歯石などを直接目で確認しながら除去していく外科的処置です。
歯周病の治療後 ~ 定期メインテナンス
歯周病の治療が終了した後も、3~6ヶ月ごとに、定期的な歯科医院の受診をお勧めします。歯周病は再発しやすいため、せっかく治療しても放置しては再発してしまいます。そのため、歯垢や歯石を、ご自身では取り切れない部分までしっかり除去し続けることがとても大切になるのです。
歯周病治療後は年に数回ですので、定期メインテナンスを受けましょう。